射出成形金型の設計・製作

金型設計

金型設計
金型製作は「型屋の仕事」と単純に捉えている方が意外に多くいらっしゃいます。しかし、金型は成形品を造るための道具であり、射出成形のノウハウが無なければ「良い金型」を製作することは出来ません。
良い金型とは「質の高い成形品が得られる金型」であり、それは「高度な加工が施してある」とか「高額な金型」であることと単純に比例するわけではありません。
例えば、金型の温度調整方法、突き出し方法・位置、ゲート形状・位置、ランナー形状などは、得られる成形品の出来に大きく影響します。これらを決定するには多くの経験と理論的な検討が必要であり、金型製作には成形と金型の両立場からの協力が不可欠となります。
当社では綿密な打ち合わせと金型設計者への的確な指示により、成形を最大限に考慮した金型製作を行います。

各種金型の特徴

光コネクタ等精密部品用金型

成形品の仕上がり寸法で百分の1ミリや、千分の1ミリを追いかける精密品は、金型がそれ以上の高精度であることが求められます。精度が高くなるにつれ、加工機や加工方法が大きく変わり、加工上の工夫も必要となります。ですが、どんなに精密で高精度な金型を造ったとしても、重要なのは「成形品」なのです。事実、製品形状の理由により金型加工精度の追求だけでは対応できないものが沢山あります。
最終的に欲しいものは「精密金型」ではなく「精密成形品」ですから成形時に起きる収縮や製品形状からくる特有の変形を最大限加味し、その対策を金型加工段階に盛り込む必要があるのです。
今後はそういった成形性の悪い形状や複雑な形状の製品の高精度化が要求されてきます。

エラストマー用金型

汎用樹脂よりも弾性に富むエラストマー樹脂は、物性だけでなく成形性も大きく異なります。
その為、金型には成形性を大きく加味した工夫が必要となります。特にガス、ウェルド、ヒケの対策を十分に考慮することは必須です。
材料の系統として、オレフィン系、ポリエステル系、スチレン系やウレタン系等、各系統特有の性質があります。材料毎に特別な工夫が必要です。

ゲル状エラストマー用金型

ゲル状エラストマーは通常のエラストマー樹脂に比べて低硬度であり、成形性はかなり特殊となります。特に粘着力を持ったものは、成形時の離型性が問題となり、金型設計・製作時に特別な対策が必須です。弾性に富む樹脂は温度特性が比較的曖昧なものが多いので、温度調整に関して安易に考えがちですが、実はこれが逆であり、温度調整は非常に重要な要素です。そのため、ゲル状エラストマー用金型の構造は汎用樹脂とは懸け離れており、一般的な考え方では解決しません。ゲル状エラストマー用金型でお困りの際は、当社に是非ご一報願います。


≪≪精密射出成形技術へ 二次加工へ≫≫